2012年 04月 04日
ミトラ教 1 (スィームルグ文化と古代バビロニア占星術) |
ヘルメス文章を書くと宗教の始まりと言われるミトラ教に関心が向きました。
(引用: 『ミトラ神学』 )
バビロニアの神官たちは、天体の運行が地上の出来事や人間の運命に影響を与えることに気づいていました。 彼らは、太陽、月、そして惑星たちの回転運動が天空の巨大な時計のように思えたからです。彼らはこの巨大な天空の時計を読めば未来の出来事が予言できると考えたのでした。 そこで、バビロニアの神官たちはできるだけ正確に天体の位置を計算で予測しようとしました。その結果、バビロニアの科学は発達し、観測技術と計算精度は世界一になりました。
(中略)
バビロニアの神官たちは、この天空の巨大な時計を誰が何のために作ったかという秘密に思いをはせるようになりました。彼らは宇宙と運命の神秘について次第に思索を深めていったのでした。
彼らが宇宙時計の創造者について研究しているとき、はるか東方のペルシアからこの宇宙時計を創造した神がいるという伝承が伝わってきました。この伝承は、バビロニアの神官たちをまるで磁石のように強くひきつけました。
東方ペルシアから伝承によれば、巨大な宇宙時計を創造した者は、コスモクラトール=ミトラと呼ばれていました。コスモクラトールとは、宇宙の支配者とか宇宙の守護者という意味です。 バビロニアの神官たちの説明によると、この神は天体の光と運動を通して、地上に秩序と平和をもたらし、闇に包まれた世界の中から生き物の魂を救いだそうとしているというのです。バビロニアの神官たちは、これこそ自分たちが長い間捜し求めていた神であると狂喜しました。
ところがコスモクラトール=ミトラは、さらにすぐれた存在によって、ある使命を帯びて創造された神だ、というのです。
(引用終わり)

(参考: 「モナ丼」 )
・ミトラ教は、アーリアン* の古代宗教が メソポタミア~小アジアに入り、
そこの神官集団のあいだで 発展したものである。 原始ミトラ教と呼ばれている。
・原始ミトラ教 から マズダー派 が 分かれた。 ミトラ派 と マズダー派 が 対立している頃、ザラシュストラ(ツァラストラ、ゾロアスター)が生まれる。
・ミトラ派は、アケネメス朝の末期からバビロンの占星術と結びつく。
ミトラの秘儀 と バビロンの占星術 が 融合し 秘教占星術(ズルワーン神学)が 生まれた。
*アーリアン : 現在、「アーリア人」はインドに移住してきたインド・アーリア人、イランに移住してきたイラン・アーリア人およびそれらの祖先のみを指す場合が多い。
まずは、古代バビロニア占星術から。
地図 "WORLD NAVIGATOR" から
http://atlas.7jigen.net/jp/historical/persia

(引用)
『ミトラ神話 ミトラ単一教の神話』 より
http://homepage2.nifty.com/Mithra/HP_Mithraism_Myth_Henotheistic.html
占星術に関する最古の記録は、古バビロニア王国(前1894~前1160 年)のアムミサドゥパ王治下の粘土版(前1700 年頃)である。 占星術は、前1800 年から前800 年頃にかけて、天文学・数学とともに急速に発達した。前1530 年から前1150 年にかけて、カッシート人がバビロニア南部に定着し、そのまま同化した。 この頃、ミトラとシャマシュはバビロニア・アッシリア・ミタンニで広く習合し、ミトラの太陽神としての性格が目立つようになった。 暦にも大きな変化が生じ、七曜(日曜・月曜・火曜・水曜・木曜・金曜・土曜)が確立し、新月から七日ごとに区切るようになった。 前11 世紀頃には、占星術書『エヌマ・アヌ・エンリル』がまとめられた。この時期、すでに天地照応の基本的な考え方は固まっており、天文現象をもとにした吉凶占いが行われた。 占星術は、赤道帯を中心にした星座をった。 黄道十二星座はまだ誕生していなかった。
(引用終わり)
(引用)
『ペルシャ神話大辞典より』
http://homepage2.nifty.com/Mithra/Mithraism_Encyclopedia_Persian_Myths.pdf
紀元前700年頃のサルダナパロスの時代から占星術が整理され、同時に天体観測も盛んになり、天文学を発展させた。この時代に、十二星座が成立し、これまでの赤道中心の体系から黄道中心の体系に変わった。この時代の占星術は、政経占星術であり、個人の運命を占うことはなかった。
(引用おわり)


(引用) http://www.shamogoloparvaneh.com/Speech_Text_Part1.pdf
スィームルグ文化 Simorgh Culture

スィームルグ文化とは何か?
もっとも忘れられているが、もっとも華麗で力強い「根元の文化」。
スィームルグ文化の特徴 ↓↓
・ スィームルグ文化は、広大な領域を覆っている。その広がりは中国東北部からモンゴル、中央アジア、カシミール地方、インド北部、チベット、パキスタン、アフガニスタン、イラン、クルディスタン、コーカサス地方、黒海沿岸、シベリア、東欧におよぶ。
・ ミトラ教は、スィームルグ文化が咲かせた花である。スィームルグ文化はミトラ教の母である。
・ 古代イランの新年は3月21日、春分の日(太陽が牡羊座0度に入る)であった。これ伝わって、中国・朝鮮半島・日本では新年度が春に始まるようになったと考えられる。
神々
大女神ディヴ
大女神ディヴ*は、スィームルグ文化の根元神にして種子、つまり秘められた一なるいのち・力・智慧である。大女神ディヴは、いわゆる創造者でも命令者でもないが、あらゆる存在の根元であるという意味で、まさに天真、無極、一者である。
*ディヴ 別名をスィームルグSimorgh、ダエーナーDaênâ。ダエーナーという名前は、ローマの女神ディアナ(ダイアナ)に対応する。ディヴは、ギリシア語で神を意味する言葉「テオス」Θευς、ラテン語で神を意味する言葉「デウス」Deusと同根である。
原アムシャスプンタ
ディヴ(スィームルグ)には六つの顔(面)がある。この六面のことを原アムシャスプンタ*と言う。原アムシャスプンタは、友愛神ミトラ、生命神ヴァルナ(アパム・ナパート)、活力神アーリマン、火神アータル、日輪神フワル、平和の女神ラームである。原アムシャスプンタの役割は、宇宙的な秩序とリズムをつくりだして、いのちの循環が円滑に進むように見守ることである。
ミトラ
ミトラは友愛神である。原アムシャスプンタの筆頭に位置するミトラは、スィームルグそのものである。スィームルグは女性面で養育を象徴し、ミトラは男性面で友愛と調和を象徴する。次第にミトラの地位は向上し、ミタンニ時代になるとついにミトラ単一神教が成立した。
アーリマン
・アーリマンは、活力を象徴する。
・アーリマンは、女神たちを歓待する神である。
ヤザタ神族
上記のほかにも、まだ多数の神々がいた。その一部を示す。
天空神アスマン、大地の女神ザミャート、水の女神アナーヒター(聖牛)、風神ワユ、原人神バフマン(ウォフ・マナフ)、子宮保護の女神アールマティー、智慧神ティール、戦神バハラーム(ウルスラグナ)、真言神マンスラ、正義の女神アルシュタート、健康の女神ホルダート、不死の女神アムルタート
(引用終わり)
(引用開始: 「ミトラ教の歴史1(新版)」)
ヤザタ
〔語義〕 「崇拝に値する神」「礼拝されるべき神」を意味する。後に、ミトラ神群をさすことばとして使われるようになったが、古代において、この定義にあてはまる神はミトラしかいなかった。
〔定義〕 「至高神」「最高神」「主神」を意味する言葉。単数形で使うとミトラをさし、複数形で使うと、ミトラの七大天使をさす。ヤザタの王は、至高神ミトラの尊称である。
(引用終わり)
(引用: 『ミトラ神学』 )
バビロニアの神官たちは、天体の運行が地上の出来事や人間の運命に影響を与えることに気づいていました。 彼らは、太陽、月、そして惑星たちの回転運動が天空の巨大な時計のように思えたからです。彼らはこの巨大な天空の時計を読めば未来の出来事が予言できると考えたのでした。 そこで、バビロニアの神官たちはできるだけ正確に天体の位置を計算で予測しようとしました。その結果、バビロニアの科学は発達し、観測技術と計算精度は世界一になりました。
(中略)
バビロニアの神官たちは、この天空の巨大な時計を誰が何のために作ったかという秘密に思いをはせるようになりました。彼らは宇宙と運命の神秘について次第に思索を深めていったのでした。
彼らが宇宙時計の創造者について研究しているとき、はるか東方のペルシアからこの宇宙時計を創造した神がいるという伝承が伝わってきました。この伝承は、バビロニアの神官たちをまるで磁石のように強くひきつけました。
東方ペルシアから伝承によれば、巨大な宇宙時計を創造した者は、コスモクラトール=ミトラと呼ばれていました。コスモクラトールとは、宇宙の支配者とか宇宙の守護者という意味です。 バビロニアの神官たちの説明によると、この神は天体の光と運動を通して、地上に秩序と平和をもたらし、闇に包まれた世界の中から生き物の魂を救いだそうとしているというのです。バビロニアの神官たちは、これこそ自分たちが長い間捜し求めていた神であると狂喜しました。
ところがコスモクラトール=ミトラは、さらにすぐれた存在によって、ある使命を帯びて創造された神だ、というのです。
(引用終わり)

(参考: 「モナ丼」 )
・ミトラ教は、アーリアン* の古代宗教が メソポタミア~小アジアに入り、
そこの神官集団のあいだで 発展したものである。 原始ミトラ教と呼ばれている。
・原始ミトラ教 から マズダー派 が 分かれた。 ミトラ派 と マズダー派 が 対立している頃、ザラシュストラ(ツァラストラ、ゾロアスター)が生まれる。
・ミトラ派は、アケネメス朝の末期からバビロンの占星術と結びつく。
ミトラの秘儀 と バビロンの占星術 が 融合し 秘教占星術(ズルワーン神学)が 生まれた。
*アーリアン : 現在、「アーリア人」はインドに移住してきたインド・アーリア人、イランに移住してきたイラン・アーリア人およびそれらの祖先のみを指す場合が多い。
まずは、古代バビロニア占星術から。
地図 "WORLD NAVIGATOR" から
http://atlas.7jigen.net/jp/historical/persia

(引用)
『ミトラ神話 ミトラ単一教の神話』 より
http://homepage2.nifty.com/Mithra/HP_Mithraism_Myth_Henotheistic.html
占星術に関する最古の記録は、古バビロニア王国(前1894~前1160 年)のアムミサドゥパ王治下の粘土版(前1700 年頃)である。 占星術は、前1800 年から前800 年頃にかけて、天文学・数学とともに急速に発達した。前1530 年から前1150 年にかけて、カッシート人がバビロニア南部に定着し、そのまま同化した。 この頃、ミトラとシャマシュはバビロニア・アッシリア・ミタンニで広く習合し、ミトラの太陽神としての性格が目立つようになった。 暦にも大きな変化が生じ、七曜(日曜・月曜・火曜・水曜・木曜・金曜・土曜)が確立し、新月から七日ごとに区切るようになった。 前11 世紀頃には、占星術書『エヌマ・アヌ・エンリル』がまとめられた。この時期、すでに天地照応の基本的な考え方は固まっており、天文現象をもとにした吉凶占いが行われた。 占星術は、赤道帯を中心にした星座をった。 黄道十二星座はまだ誕生していなかった。
(引用終わり)
(引用)
『ペルシャ神話大辞典より』
http://homepage2.nifty.com/Mithra/Mithraism_Encyclopedia_Persian_Myths.pdf
紀元前700年頃のサルダナパロスの時代から占星術が整理され、同時に天体観測も盛んになり、天文学を発展させた。この時代に、十二星座が成立し、これまでの赤道中心の体系から黄道中心の体系に変わった。この時代の占星術は、政経占星術であり、個人の運命を占うことはなかった。
(引用おわり)


(引用) http://www.shamogoloparvaneh.com/Speech_Text_Part1.pdf

スィームルグ文化とは何か?
もっとも忘れられているが、もっとも華麗で力強い「根元の文化」。
スィームルグ文化の特徴 ↓↓
・ スィームルグ文化は、広大な領域を覆っている。その広がりは中国東北部からモンゴル、中央アジア、カシミール地方、インド北部、チベット、パキスタン、アフガニスタン、イラン、クルディスタン、コーカサス地方、黒海沿岸、シベリア、東欧におよぶ。
・ ミトラ教は、スィームルグ文化が咲かせた花である。スィームルグ文化はミトラ教の母である。
・ 古代イランの新年は3月21日、春分の日(太陽が牡羊座0度に入る)であった。これ伝わって、中国・朝鮮半島・日本では新年度が春に始まるようになったと考えられる。
神々
大女神ディヴ
大女神ディヴ*は、スィームルグ文化の根元神にして種子、つまり秘められた一なるいのち・力・智慧である。大女神ディヴは、いわゆる創造者でも命令者でもないが、あらゆる存在の根元であるという意味で、まさに天真、無極、一者である。
*ディヴ 別名をスィームルグSimorgh、ダエーナーDaênâ。ダエーナーという名前は、ローマの女神ディアナ(ダイアナ)に対応する。ディヴは、ギリシア語で神を意味する言葉「テオス」Θευς、ラテン語で神を意味する言葉「デウス」Deusと同根である。
原アムシャスプンタ
ディヴ(スィームルグ)には六つの顔(面)がある。この六面のことを原アムシャスプンタ*と言う。原アムシャスプンタは、友愛神ミトラ、生命神ヴァルナ(アパム・ナパート)、活力神アーリマン、火神アータル、日輪神フワル、平和の女神ラームである。原アムシャスプンタの役割は、宇宙的な秩序とリズムをつくりだして、いのちの循環が円滑に進むように見守ることである。
ミトラ
ミトラは友愛神である。原アムシャスプンタの筆頭に位置するミトラは、スィームルグそのものである。スィームルグは女性面で養育を象徴し、ミトラは男性面で友愛と調和を象徴する。次第にミトラの地位は向上し、ミタンニ時代になるとついにミトラ単一神教が成立した。
アーリマン
・アーリマンは、活力を象徴する。
・アーリマンは、女神たちを歓待する神である。
ヤザタ神族
上記のほかにも、まだ多数の神々がいた。その一部を示す。
天空神アスマン、大地の女神ザミャート、水の女神アナーヒター(聖牛)、風神ワユ、原人神バフマン(ウォフ・マナフ)、子宮保護の女神アールマティー、智慧神ティール、戦神バハラーム(ウルスラグナ)、真言神マンスラ、正義の女神アルシュタート、健康の女神ホルダート、不死の女神アムルタート
(引用終わり)
(引用開始: 「ミトラ教の歴史1(新版)」)
ヤザタ
〔語義〕 「崇拝に値する神」「礼拝されるべき神」を意味する。後に、ミトラ神群をさすことばとして使われるようになったが、古代において、この定義にあてはまる神はミトラしかいなかった。
〔定義〕 「至高神」「最高神」「主神」を意味する言葉。単数形で使うとミトラをさし、複数形で使うと、ミトラの七大天使をさす。ヤザタの王は、至高神ミトラの尊称である。
(引用終わり)
■
[PR]
by heibay
| 2012-04-04 07:38
| 歴史
|
Comments(0)