BIS規制強化延期 |
(引用)
「銀行の資本規制案緩和へ バーゼル委検討 」
主要国の銀行監督当局は、昨年末に公表した大手銀行への新しい資本規制の当初案を緩める方向で検討に入る。規制対象の「狭義(コア)の中核的自己資本」と呼ぶ指標に算入できる項目を増やす案などを協議する。
(引用終わり: 2010/6/25 日本経済新聞 電子版 )
銀行というところは、不思議なところで、中央銀行に10億円預けると、990億円の貸付できます。これが信用創造です。お金を貸すといっても、まず融資先の預金口座に990億円が入金されます。だから、預金者からお金を集めて貸すのではなく、銀行が作り出したお金が、融資先の口座の通帳に印刷されるのです。 (バブル期には、市中銀行は日銀から無理な貸出のノルマをあてがわれた)
お金のないところから、お金が生まれるので、このうち8%は、銀行が蓄えた利益などの裏づけのある利益剰余金などを当てるのが自己資本ルールです。日本を狙い打ちにするため、バブルの時に利益剰余金に株の含み益が入れてよかったのが、バブル崩壊で自己資本不足になりました。
それだけならいいのですが、融資先が990億円の貸付でで、家を買おう車を買おうが、担保がしっかりしていたら問題はありませんが、担保が価値が落ちると、その分を損失扱いにするので、その分、増資などで自己資本を大きくするか、貸出を減らすかしなければなりません。後者が、貸し剥がしです。
日本を狙い打ちにしたBIS規制にヨーロッパの銀行も引っかかってきたのでしょう。アメリカ、ストレステストとかいって堂々と粉飾決算をやっているようです。 何しろ1億ドルの商業不動産証券が2ドルでも取引がない状態ですから。