2013年6月26日
旅行の最終公演は、振付師ジョン・ノイマイヤー(John Neumeier)で有名な ハンブルク・バレエの 「ヴェニスに死す」 (Der Tod in Venedig)です。
しかし、大劇場に入るとビックリ、
オーケストラのピットがなく、ピアノ1台。つまり音楽はピアノとカラオケ。 クラヲタ(クラシック・オタク)としては、生のバッハの演奏を期待していたのに。
「べニスに死す」は、1971年公開されたヴィスコンティの有名な映画。
あの映画は、ある程度歳をとるまで、おっさんが、青年の肉体美に憧れるっては分からなかった。 そして、散髪屋で若作りをするとかね、若い頃は、なんでピエロになろうとしているのか?と思ったよ。
映画では、アシェンバッハは、ドイツ有数の作曲家・指揮者である。避暑地、ヴェニスのリド島に着くと、すぐさまホテルに部屋をとった。サロンには世界各国からの観光客があつまっていた。アシェンバッハは、ポーランド人の家族にふと目をやった。母親と三人の娘と家庭教師、そして、母親の隣りに座った一人の少年タジオにアシェンバッハの目は奪われた。すき通るような美貌と、なよやかな肢体、まるでギリシャの彫像を思わせるタジオに、アシェンバッハの胸はふるえた。
原作は、ドイツの作家トーマス・マン『ヴェニスに死す」 (Der Tod in Venedig)から
なので、今回は
トーマス・マンが最後に住んだチューリッヒの家も見てきました。
映画では、ドイツ有数の作曲家・指揮者であるアシェンバッハだけど、ここでは、バレエ振付師アシェンバッハ 舞台の奥にはフリードリッヒ大王の絵が。
「栄光と創造」と題したプロシアのフリードリヒ大王をテーマとするバレエを創作中だが、インスピレーションが沸いてこない。 そして、ベニスに逃避するのだが...
曲は、バッハとワグナーを使用。
「音楽の捧げもの(Das Musikalische Opfer BWV1079)」
(この曲は、バッハが1747年5月7日にフリードリヒ大王の宮廷を訪ねた際、ハ短調のテーマ (Thema Regium) を大王より与えられた。 バッハは、これを用いてその場でジルバーマンのフォルテピアノにより即興演奏を行ったが、2ヵ月後に作品を仕上げ、「王の命による主題と付属物をカノン様式で解決した)
(フリードリッヒ大王が吹いたフルート)
バレエで使われたワグナーの曲は、
Sonate für das Album von Frau Mathilde Wesendonck - Richard Wagner
(マチルダ・ヴェーゼンドンク夫人アルバムのためのピアノ・ソナタ)
Wagner/Liszt - Isoldes Liebestod (リスト編曲 ワグナー作曲 イゾルデの愛と死)
ハンブルク歌劇場の大劇場の休憩時間、みなさん良い服を着ています。
消防車が来ていました。
コレラが蔓延しているベニスの海岸での避暑は、舞台後ろに見える、ニョロニョロだけど、踊りが、死の近接を表現した舞踏ではないような感じ。美しいのだが。。。
死を表現するのが上手そうなのは、「暗黒舞踏」の故大野一雄かな~
美しい舞台でした。カーテンコールです。
Aschenbach役の Lloyd Riggins と
Piano Elizabeth Cooper
バッハをカラオケで聴かせてくれた振付師の J
ohn Neumeier ノイマイヤーがカーテンコールに出てきて一層盛り上がりました。カラオケ・バレエやのに
ということで、バレエ・ファンはカラオケでも良いのが、クラヲタとは異なるとこです。
まぁ、サンスーシ音楽祭を聴いて、ウィーンで「トリスタンとイゾルデ」を観て、トーマス・マンの家を見て、ヴェーゼンドンク邸に行ったので、このバレエは今回の旅行の集大成かな? カラオケを除いては。