映画 『ブリューゲルの動く絵』 |
ブリューゲル 「十字架を担うキリスト」(ウィーン美術史美術館)の中の入っていく映画です。16世紀のフランドルの生活も再現してます。ブリューゲル、ウィーン美術史美術館が好きな人は必見。
映画では、衣装は当時を現すため、草木染に手縫い。 日常の生活を描いています。子牛売りの夫婦の奥さんがパンを買った時、パンをおなかに入れますが、当時は太ることが難しいから、デブ=美 なのでしょうか?
クリックすると大きくなる。
ブリューゲル(1569年没)ですが時代背景を
まずは、ルターの宗教改革(1517年)がありました。 概要を
① 年貢の10分の1は、神聖ローマ帝国に宗教税として払わなければならない(多分、他に上納金もあった筈)このお金を諸侯は欲しい。
② ルーターの宗教改革は「新約聖書」から つまり「出エジプト」の否定であり、文明は有色人種が作ったことを否定する白人至上主義。
③ 民衆には、稼いだものは自分のもの、教会の物ではない。という考えかたが芽生えてきた。(ルターの後、第2段階のカルヴァン派) それなので絵では、キリストは無視されています。
他民族大帝国を治めているハプスブルク家にとって、お金と白人至上主義は、許せないはず。なので宗教戦争が勃発します。
ブリューゲルが絵を描いていたときのフランドルは、神よりも働いたぶんは自分のものという思想が生れ始めていました。
クリックすると大きくなる。
では絵の説明。
Oの馬にまたがる兵士は、神聖ローマ帝国スペイン・ハプスブルク家の傭兵。
O右の街と森は”生”をあらわす。
O左のゴルゴダの丘は”死”を現す。最左側に死を現す木。馬の骨は死の意味。 車輪は鳥刑(鳥に食べさせる死刑)の時に 人をくくりつける
①他の絵なら、神の位置にある風車。 風車は小麦挽きに使われていました。つまり神よりもパン。
②絵の中心はキリスト、小さく描き、群集に埋もれ無視されている。
③マリアさま、ブリューゲルの奥さんがモデル。 キリストを処女懐胎したとされているマリアの扱い方についても、カトリックでは「聖母マリア」とマリア自身も賛美の対象、新教は、イエスはヨセフとマリアの自然の子である。聖母マリアを否定。
④ブリューゲル と絵の 注文主 ヨンゲリンク
⑤たまたま行き合わせた シモン 十字架を背負うように命じられる。 群集はシモンに注目している。 共観福音書(マタイ27:32、マルコ15:21、ルカ23:26)すべてにその名が現れるシモンはキレネ(現代のアフリカ北部)の出身でエルサレムに巡礼に来ていたと思われる。そこで十字架を担って歩くイエスの姿を見る。イエスが力尽きたため、たまたまそこにいたシモンが兵士によって無理に十字架を担がされた。
⑥パンを売る行商人
⑦子牛うりの若夫婦。映画では、旦那さんが鳥刑にされる。牛=異端のユダヤ教か?
⑧処刑場の周りにハエのように群がる人。
⑨自殺するユダ。銀貨30枚でキリストを売り、後悔で自殺する。映画では銀貨を捨てる場面などが出てくる。
(関連) 映画 『アラトリステ』と宗教改革 【 2009-02-20 】