頽廃芸術の 『死の都市』 コルンゴルト作曲 |
若い女性が立ち止まって見ていた。
丸々 この人形 日本でディスプレイすると受けると思う。
ベルンのオペラ劇場です。
さて、オペラ。
今宵は、コルンゴルト 1920年
1917年 コルンゴルトはウィーンで指揮者デビューをし 1920年に 『死の都市』(Die tote Stadt)は初演され、圧倒的な成功を収めました。 しかし、ナチスの「頽廃芸術」の烙印を押され、上演禁止に。 1980年代になりやっと上演されるようになったのです。
1920年のウィーンといえば第1次大戦の敗戦。 ハプスブルク体制の崩壊。 多民族国家だったオーストリアは、サン=ジェルマン条約により、民族自決の大義のもと旧帝国内の地域がこぞって独立、従来の4分の1にまで領土を減らされ小国に転落してしまいました。
『死の都市』は、ジョルジュ・ローデンバックの小説 『死の都市 ブルージュ』 からで、「生と死」 「夢(妄想)と現実」の物語なのです。 オーケストラは、ちょっとだけ怪しい 美しい大音響の音を響かせ、ウィーンのユーゲントシュティル*の時代が生んだ作品です。 コルンゴルトは、ハリウッドの映画音楽をしているとき、ナチスのオーストリア併合で、そのままアメリカに留まりました。
さて、舞台ですが、真っ白の無印良品のようなセットですが、これが 生と現実の世界。このセットが、一瞬にして 黒いセットに変わります。セットの下に台車のこまが付いていて、くるっと回すと反対側が黒いセットです。これが死と夢(妄想)世界でなので、わかり易い演出でした。 予習をしたLDでは、いつの間にか妄想の世界に入るので、3回ぐらい見て、これは妄想だと気づいたのでした。
出来は、難しいマリエッタ役のMardi Byersが、あとちょっと、
他は全員ブラボーでした。
指揮: Srboljub Dinić,
演出: Gabriele Rech
Paul: Niclas Oettermann
Marietta/Die Erscheinung Mariens: Mardi Byers
Frank / Fritz: Robin Adams,
Brigitta: Anja Schlosser
Juliette: Anne-Florence Marbot
Lucienne: Rebekka Maeder
Victorin: Andries Cloete
Graf Albert : Tomi Kuusisto
そうそう、これから観る方のために、第2幕は『悪魔ローベル』の挿入があります。 死んだ女の復活、パウルをロベールに見立てた誘惑の踊り、小道具としての魔法の杖。 これ覚えておくと便利。
ユーゲント・シュティールは、「構成と装飾の一致」を理念とし、美や快楽と実用性を融合させることを主たる目的としていた。
美術・工芸デザインに見られるユーゲントシュティールは、動植物や女性のシルエットなどをモチーフとし、柔らかい曲線美を特徴とする。 一方、直線平面を強調し、やや非左右対象な幾何学的な模様を使用する傾向がある。ユーゲント・シュティールの建築は、簡潔で機能を重視した形体が重んじられる一方、一度限りの芸術性、唯一無二のデザインが尊重される。(wikipedia)
(上写真)オットー・ワーグナーの別荘として建てられた「フックス博士の個人美術館」 (ウィーン)