映画 ポー川のひかり |
映画 「ポー川のひかり」 公式ページ
heibayは「フィールド・オブ・ドリームス」(1989年)が一番好きな映画でしたけど、 90年代は「諸君」を読んでいたけどなぁ~。 この「ポー川のひかり」が一番になりました。 聖書の話を知っていたら、もっと楽しいです。heibayは絵を見るための聖書の勉強で、教会での教育は受けていません。
この映画のゆっくりとした時間の流れ、美しい景色、主人公は、本を否定していますが、否定するとこまで本を読み込んで到達している点、神学の教授の知識が村の人から尊敬されるところもGood です。 そして音楽もアコーディオンやハーモニカは、懐かしさをますます上げていました。
heibayも本物の教養があれば、赤い燈、青い燈がない田舎暮らしもいいかもしれませんが、中途半端な教養では、本当の孤独になってしまうので、都会から離れるのは無理でしょう。(絶対的な「知」と「人間の魅力」があると人が集まってくる) ということでも この映画に憧れます。 キリストさんへの感情移入でしょうか? もう一度 観てみたいです。
あらすじで関心を持った部分です。
神学の教授が、本に楔(くさび)を打って処刑し、ポー川のほとりに住みます。(教授でないとただの浮浪者)川のゆっくりとした流れと村人との交流です。村人との会話で、聖書の言葉がでてきて、村人はキリストさんと呼びます。
本を処刑した(器物破損)ので指名手配で警官に捕まったとき、
キリストさん(教授)は警官に尋ねます。
キ「あなたは最近、本を読みましたか」
警官「読んでいない」
キ「今まで人生で読んだのは10冊ぐらい?」
警官「今までならそのくらい」
キ「あなたは十分ですか」
警官「振り返っても不満はない」
キ「振り返ると本ばかりだ、紙ばかりだ」
警官「あなたはずっと物知りだ」
キ「友人とコーヒーを飲むほうがいい」
最後は、エマオの晩餐に現れませんでした。
heibayが知っている範囲での聖書の場面
・鍵ー金と銀(または鉄)の鍵が天国と地獄の門を象徴している。
教会の権威の象徴として交差した鍵は、教会紋章の中に現れる。
・楔(くさび)ーイエスの処刑
・大工ー聖母の夫ヨセフ、キリストも大工 マタイ福音書
・パンと魚の奇跡ー「5つのパンと2匹の魚で5千人を養った」奇跡だ。
・魚ー信者を「小さな魚」、洗礼盤を「魚の池」
やがてキリスト自身を意味するようになる。
魚を持ち物とする人物は、
使途ペテロ(ガラリアの漁師)
司教姿のゼノ(司教杖に魚を吊り下げる)
小舟の使途たちが網で魚をとる場面は「奇跡の漁り(すなどり)」
老人が嘆願書で言った「魚が笑っている」はパドヴァのアントニウスが「魚に説教をした」
から来ているか? マーラー:Des Antonius Von Padua Fischpredigt
・ワインー水をワインに変える奇跡「カナの結婚」
・息子ー放蕩息子の帰還
・エマオへの旅人ーキリストが復活した後、弟子たちがエルサレムから
エマオ村に行く途中キリストに出会った。
・エマオの晩餐ー旅で出会った2人の弟子が1泊して晩餐を取る時、
ここでキリストと分かった。するとキリストが消えた。
中世 13世紀ごろ、修道院から大学が発達しました。キリストさんのボローニャ大学は、
ヨーロッパ全体から金持ち市民の息子たちがってきて、この修道院の大学教授たちから「ローマ法」を習い、俗人(世俗の人)secularmanのまま郷里に戻って、法律家となっていった。
(引用:『アメリカの秘密』 副島隆彦)
これらを絵画から見てみましょう。
「幼児キリストを抱く聖母マリアと聖ロザリア、聖ペテロ、聖パウロ」( ヴァン・ダイク)
ウィーン美術史美術館
青い服のペテロ 「私はあなたに天国への鍵を授けよう」(マタイ福音書16:19)
金と銀(または鉄)の鍵が天国と地獄の門を象徴している。
パウロ特有の持ち物は「処刑に使われた剣」
「キリスト磔刑の三連祭壇画」(デル・ウェイデン)ウィーン美術史美術館
磔(はりつけ)に楔(くさび)が使われた。
中央の絵で、十字架の下には、聖母マリアと福音書記者聖ヨハネと寄進者夫婦。
両パネルには、キリストの顔が浮かび上がったヴェールを持った聖ヴェロニカ と
マクダラのマリア
「奇跡の漁り」(ヴェイツ)ジュネーヴ美術歴史博物館
キリストは、ペテロの漁舟に乗り、岸から離れて人々に教えを説いたあと、網を降ろすようにと言いました。ペテロは内心、半信半疑でしたが、果たして、網には多くの魚がかかりました。
「魚市場」(スネイデル)ウィーン美術史美術館
新約聖書で魚は重要です。
「カナの結婚」 ルーブル美術館
絵の右下、水をワインに変えた奇跡
「放蕩息子の帰還」(F.バルビエーリ)ウィーン美術史美術館
財産を使い果たした息子が戻ってくる。
「放蕩息子の帰還」(作者不詳)美術史美術館
居酒屋は売春宿、金を使い果たし豚小屋の番人をやっている。
「魚に説教する聖アントニオ」(ヴェロネーゼ) ボルゲーゼ美術館
アントニオは、聖フランシスコ会の修道士です。画面では聖人の話を聞くために魚たちが崖の下へ集まって来ています。
エマオの晩餐(レンブラント) ルーブル美術館
旅で出会った2人の弟子が1泊して晩餐を取る